12.11. ステンシルクローム...

12.11.1. 概観

図17.274 ステンシルクロームフィルターの使用例

「ステンシルクローム」フィルターの使用例

元画像

「ステンシルクローム」フィルターの使用例

ステンシルクロームフィルター適用後


This filter provides a chrome effect. The source image must be an image containing a single layer. This layer is used as mask (stencil) for the chrome effect.

The filter creates a new image with the chrome effect applied to the source image or, if a selection exists, to the selection of the source image (a nice background is added too). If no environment map image is specified, a copy of the source image will be used.

12.11.2. Activating the Filter

This filter is found in the main menu under FiltersDecorStencil Chrome….

12.11.3. オプション

図17.275 ステンシルクロームのオプション

「ステンシルクローム」のオプション

クローム彩度, クローム明度

このオプションは、 作成されるChromeレイヤーの 彩度と輝度 の調整に使えます。 負の値は彩度を低くし、 輝度を落とします。

クローム率

この値はChromeレイヤーとHighlightレイヤーを作成する際のオフセット値、 ぼかし半径、 ブラシサイズを調整するために使われます。 背景が作成されるときはDrop Shadowレイヤーにも影響があります。

値を下げるとクローム効果のはたらきが悪くなりがちなので十分ご注意ください。 既定の値 0.75 が最良のようです。

環境マップ

The environment map is an image that is added as some kind of noise to the source. If no image is selected here, the source image will be used.

The effect is best to see if you use a simple map with some obvious shapes:

簡明な環境マップを使う

The size of the environment map image doesn't matter, it is scaled to the size of the source image.

ハイライトバランス

この色はHighlightレイヤーの カラーバランス を変更するのに使われます。 赤・緑・青がそれぞれのオプションに応じて強まります。

赤・緑・青のいずれの色も値が 230 を超えぬようにしてください。

クロームバランス

Chromeレイヤーの カラーバランス を変更するのに使われることを除けばハイライトバランスと同じです。

白い部分をクローム化

このオプションが有効 (既定ではチェックが入っている) ならば、 元画像はマスクとして用いられます。 チェックを外すと元画像は 明度を反転 して使われます。

12.11.4. クローム効果が生まれるしくみ

以下の節ではこのスクリプト (実際これは Script-Fu で書かれている) がどうやってクローム効果を発揮するのかについて簡潔に述べています。

If you apply the filter to your source images and then look at the Layers Dialog of the resulting image, you will see that there are two main layers which make up the chrome effect: the Chrome layer and the Highlight layer. These layers are created as follows:

  1. スクリプトはまず元画像をいくぶん単純化しぼかしをかけたものからレイヤーを作成します。 白い部分をクローム化 を無効にした場合は白黒反転させた元画像がもとになります。

    クローム率 によりそのレイヤーの様相が調整されます。

  2. 環境マップ画像は元画像の大きさに合わせて拡縮され、 ぼかしがかけられてさきのレイヤー上に透明度 50% で重なります。 (冒頭の 適用例画像 から子猫を見付けられますか?)

    環境画像を統合

  3. できたレイヤーの明るさ (明度) が強度スプライン曲線に従って変更されます。

    強度曲線を変更

  4. 元画像 (クロームステンシル) で初期化されたレイヤーマスクが加わります。 これが最終段階でChromeレイヤーとなります。

    HighlightレイヤーはChromeレイヤーに白ブラシで描いたレイヤーマスクがついた複製です。

    クロームとハイライトの各レイヤーの初期段階

  5. 両レイヤーともカラーバランスが変更を受けます。 (ハイライトバランスクロームバランス がそれぞれに関わります。) ハイライト部分を強調しつつ赤・緑・青の各色の値が増やされる処理です。

    さらに、 Chromeレイヤーの彩度と輝度が変更を受けます。 (クローム彩度クローム明度 が関わります。)

    クロームレイヤーとハイライトレイヤー

ドロップシャドウがつき背景レイヤーが加わるとステンシルクロームフィルターのような 適用例画像 となります。